住宅メーカーであるパナソニックホームズの説明会に参加してきました。
ちょっと聞きたかったこととは違う部分もあったんですが、勉強になりました。
パナソニックホームズの特徴3つ
強度
このメーカーの構造は「軽量鉄骨造」です。
今回は、「耐震性」という点での構造の違いについて説明を受けました。
内容としては次のような点です。
・耐震等級は1~3まである。
耐震等級1は、震度7の地震に対して(1度)倒壊せずに耐えられるという基準です。
耐震等級2は、1の1.25倍。
耐震等級3は、1の1.5倍になります。
・倒壊はしなくても、全壊、半壊はする可能性があるので、住み続けることはできない。
・熊本地震では余震の2日後に本震が来て、どちらも震度7レベル。
1回目では倒壊は免れても、2回目でアウトになった家がある。
・耐震等級3以上は分類していない。(どれだけ強くても3)
理由としては、木造住宅は3以上が構造的に無理だから(?)
まあ、ぼんやりなんですがこんな感じです。
説明だけ聞いていると、「鉄骨住宅いいじゃん!」て感じちゃいますよね。
だって、せっかくローン組んで建てて、地震で残らないなんて嫌ですし・・・
さらに、パナソニックホームズの鉄骨は通常のブレース式ではなく、専用設計のアタックダンパー式のため強いとのこと。
(公式HPhttps://homes.panasonic.com/common/feature/technology/taishin_hs.htmlより)
気になったこと。
耐震耐震というが、 最近は「制震」や「免震」といったことばも耳にする。
そうした方法をとれば、木造住宅でも問題ないんでないの?
というシロウト考えが・・・。
ちなみに、映像を見せてもらって、直下率(柱が1階と2階で一致しているか)が悪い住宅は地震でねじれるように倒壊する場面がありました。
熊元地震であらためて着目されたらしいですが。
個人的には、住宅設計のプロがいまさらそんなことをいう?という感じですね。
「お客さんの要望を取り入れつつ、構造的に必要な部分は譲らないようにするのが普通なんじゃないのか?」と思っていたので、少し設計業界に不安の気持ちが生じました。
最近は構造のシミュレーション解析も発達しているのだから、事前に検証できるんじゃないのかなあ、と思いますが。
空気
住宅の快適さを考えるときの空気の要素は大きく3つ。
- 高気密
- 高断熱
- 換気
気密はあまり高すぎるのは良くないとのこと。高気密をうたい文句にした工務店さんがありますよね。パナソニックホームズもやろうと思えばそれくらいできる、と言っていました。(ホントかな?)
そうした工務店は気密性が高すぎるゆえに石油ファンヒーターなどは一酸化炭素中毒など防止のため使用不可のようです。
(ただ、気密性が高ければそもそもそうしたファンヒーターを使う必要もないでしょうけど)
断熱という点では、壁の厚みが16cmあるのが標準のようで、かなり分厚いなと感じました。ただ、中に入っている断熱材の性能的な部分には触れられていませんでした。
窓ガラスはしっかりと断熱性能を確保することが大事とのこと。ここは同意です!
パナソニックホームズの特徴として、床下から空気を取り入れ、天井から部屋に入れたのち、トイレ、洗面所から排気する形で循環させています。
※ちなみに、いまは24時間換気が法律で義務付けられているので、どこの住宅メーカーにもなんらかの換気システムがついているとのことです。
この床下から空気を取り入れることのメリットとして、地熱により空気の温度がある程度維持されている点があります。
これは冬は暖かく、夏は冷たい床下空気を利用することで、冷暖房費の削減につながるので、個人的には気に入りました。特許取得しているので他社ではまねできないようです。
メンテナンス性
パナソニックホームズの特徴として、「キラテック」という外壁タイルがあります。
表面に酸化チタンを処理していて、とても親水性が高く、油汚れが水で流れ落ちるんですね。
つまり、雨が降ればきれいになるんです。これは実演してもらって納得。
もしも他社の普通の外壁だと、メンテナンスは10年単位で100万くらいとのこと。
まあ、ここは汚れを気にしなければメンテしない(=タダ)という第三の選択肢もあるだろうけど。
イメージとしては、通常の外壁の上に接着剤を塗って、その上にタイルを貼っている感じです。なので、一般的な住宅に対して鎧を身に着けている感じですね。
ただ、このタイル、けっこう重いです。
これを実現できるのはやはり鉄骨造だからでしょうね。
パナソニックホームズの考え方として、初期費用は掛かるけれど、メンテナンス費用は削減する、という形らしい。
つまり、氷山のように、最初に見えている部分だけ安く抑えて、あとからお金がかかる住宅よりは、最初にしっかりとお金を掛けて良いものをつくろう、という理念のよう。
パナソニックホームズのここがもう少し!
個人的に、パナソニックホームズの残念なところ。
値段が高い
やはり大手ハウスメーカー、値段もビッグです。
ただ、説明を聞いて高い理由は納得しました。
高性能に見合った価格ということですね。
問題はやはり、わが家がその金額を払えるかということ。
35坪くらいのモデルハウスでも、建築費が2,500万円~3,000万円くらいします。
これにプラスで土地代が加わります。
うーん、誰か土地くれないかな。笑
プランが少ない
「良いものを長く使う」理念のため、予算を考慮してスペックを落とした仕様というのがそもそも用意されていないんですね。
たとえば、鉄骨の構造は1種類です。「耐震等級2レベルでいいから値段を下げて」ということはできないんです。
やるとしたら、キラテックを使う面積を減らすとか?
それもちょっとダサいかも。
つまり、パナソニックホームズで家を建てたみなさんは凄いということですね。ハイ
個人的にキラテックの外観が・・・
完全に個人的な好みですが、キラテックのタイル貼りの外観というのがあんまり好きではないんです。
ぼくが好きなのはガルバリウム鋼板のようなモダンでスタイリッシュな感じの雰囲気なんです。
そうした点でキラテックはいまいち・・・。
いや、性能は認めているんですけどね。
まとめ
以上、パナソニックホームズの説明会を聞いた結果のぼくの見解です。
良いところ
・軽量鉄骨のため強度が高い
・空気の循環に気を使っている
・メンテナンス費用を抑える思想
悪いところ
・値段が高い
・プランが少ない(=安くする方法があまりない)
・キラテックタイルの外観の好みが分かれる
正直なところ予算的な問題があるので、ここを選ぶのは難しいと思います。
もちろんお金があれば、ぜひ検討したいメーカーではありますね。
余談ですが、パナソニックホームズとトヨタホーム、ミサワホームは新会社「プライムライフテクノロジーズ(PLT)」として2020年1月から統合するようです。これによりどのような付加価値が生まれるのか?今後の展開に注目ですね。