そろそろ反転か?と見せかけて米国はまだまだ一荒れありそうな予感をしています。
と書いていたら、20日はまたまた暴落でしたね。
ぼくはと言えば、追加資金を投じて焼かれています。
さて、まだまだ初期ではありますが、今回のコロナショックでいくつか特徴的な出来事を挙げておきます。
次回○○ショックが起きた時の着眼点として覚えておきたいと思います。
長く投資をやっている方には当たり前なのかもしれませんが、自分のような2019年急回復後に本腰を入れ始めた投資初心者にとっては、ここから何かを学ばないとこの先の投資で生き残れません。
・相場の下落の勢いが半端ない
・金融緩和が行われる
・鯨幕(くじらまく)相場が現れる
・日銀の買い支えが行われる
・債券は最初上昇後、売られだす
・円高→ドル高になる
・リート系も大幅に売られる
・ハイテク/ヘルスケアは下落しづらい
詳しく考えていきます。
相場の下落の勢いが半端ない
当初、「中国で新型ウイルスが発生」というニュースが流れた際、ほとんどの人はあまり気にもしませんでした。
しかし感染の世界への拡大と同時に実体経済に影響を及ぼし始めると相場は急落しました。
【最新まとめ】新型コロナウイルスのニュースを時系列で振り返り:感染拡大が広がる新型肺炎 発生〜WHO緊急事態宣言まで | 訪日ラボ
ニュースと株価を時系列でみると、上記のような感じですね。日経平均もほぼ連動した動きです。現時点まで、約30%以上下落しています。
さて、上記のチャートを見ると1月31日の緊急事態宣言の際に保有株式をいったん手放しておけばこの暴落から逃げられたことが分かります。
実際、1月31日の宣言でさえ少し遅すぎたのでは?という声が上がるほどダイヤモンドプリンセス号や中国をはじめ感染拡大の状況は懸念されていました。
また、2月24日にNY株が下げ幅が大きくなった時も下降トレンドの入口ということで逃げるポイントだったのかもしれませんね・・・。
では、なぜぼくが株から脱出できなかったのか?
じつは日経平均はこの数日前から徐々に下落が始まっており、ぼくの保有株も含み損が出ていたのです。下の日経平均チャートを見ると分かりますね。
そこで働いていたのが『プロスペクト理論』ですね。
・損をしたくないという気持ちから合理的な選択ができなくなる
・すでに大きな損のある状況では、確実な利益よりもリスクのある利益をとりに行ってより傷口を広げてしまう
・損失の金額が大きくなるほど心理的な痛みが減ってくる
まさに負のループに陥ってしまったわけです。
ということで次回への反省⇒損切はすぐに行う
さてさて、いっぽうで最近は割安な銘柄が出てきたなということで買い増しに行ってしまっているのですが、これはプロスペクト理論で言うところの痛みがマヒしてよりリスクを取りに行っているマズイ状況なのでしょうか・・・?
金融緩和が行われる
アメリカはこのコロナショックにより2度も緊急利下げを行いました。
3月3日に0.5%、3月15日に1%です。
米FRBが緊急利下げ、ほぼゼロ金利に 量的緩和も開始 - BBCニュース
通常、利下げは市場にお金が出回ることにより株式の上昇をもたらします。
という頭でっかちな勉強をしたせいで、「ん、明日の株は上がるのか??それとも下がる??」などと右往左往しました。
結果論ですが、そんなこと考えずに逃げておけばよかったんです。
今回のコロナショックは人とモノの移動が制限されることで実体経済が回らないということが問題であり、金融政策ではどうにもならない類のものでした。
ということは、コロナ収束のめどが立たない限りは株価の回復は難しいでしょう。
またリーマンショックの時では金融ショックだったため効果はあったものの暴落前の水準への復帰には時間を要したようですしね。
また、緊急利下げは不安を抱かせるということもあるかと思います。
ということで次回への反省点
⇒感染症系はすぐに逃げろ
⇒緊急利下げは逃げ時
鯨幕相場が現れる
あくまで今回のコロナショックだけなのかもしれませんが、1日単位で1,000ポイント以上も株価が上下し、毎日のように「過去最大を更新」などというニュースが流れていました。
鯨幕というのは大きな上げと大きな下げが一日おきに出ることですね。チャート上で陰線と陽線が交互に出現しています。
だからなんだということでもないですが、この相場でうまくタイミングをとろうなどと考えるとダブルパンチを食らう可能性があるので注意が必要です。
ちなみに、日本の市場は寄り天、米国は寄り底が多かったような気がします。
(あまり参考にはなりませんが)
鯨幕相場はいったん終わりに近づき2番底のようなものが現れ始めているのが3月19日時点の相場観だと思います。しかし、油断は禁物です。この底はつづく日銀の買い支えによるものだと思われるからです。
日銀の買い支えが行われる
コロナショックを受けて、日銀は過去最大の12兆円規模の買い入れを行うようです。
3月19日付近の市場で、下落が止まったかのように見えるのはそのためかもしれません。
今は割安と考えてぼくはこのまま株式を持ち続けますが、はたして「この2番底でどう行動するのが正しかったのか」はまた数か月後に振り返ることになると思います。
○○ショックでは、株価が下がりすぎるまで待つというのが正しいスタンスかと思いますが、「日銀が大規模な買い入れを行う」というニュースがあることで、投資家はこのまま株価が上がっていってしまうのではないかという心理になり、実際の買い入れの額に関わらず下がりにくい相場になるようです。
この心理戦と実体経済の確実な停滞が今後どうはたらくのか、、、まったくわかりません。
債券は最初上昇後、売られだす
今回のコロナショックであらためて明らかになった点としては債券もやはりリスク資産であるということ。
上記はAGG(米国総合債券)のチャートです。
3月9日に高値を付けた後は下落する一方です。注目したいのは、年初よりも価格が下がていること。やはり、企業の業績に影響を及ぼす状況の中で、社債などが含まれているものは返済リスクが不安視されているのかもしれません。
一方、国債はなんとかしのいでいます。下記はTLT(米国20年債)のチャートです。
こちらも3月上旬に一度上げた後は下落に転じているものの、年初に比べればまだ上の水準にあります。2度の利下げによる効果も大きかったのかもしれません。
ちなみに債券が売られる理由としては、以前の記事でも取り上げたように「現金化ステージ」に入っているということです。
アングル:リスクオフは「現金化ステージ」に、株式と債券の同時安 執筆: Reuters
今後の参考として、
○○ショック時は債券価格が10%上昇したら売却
と考えておきたいと思います。
まあ、ぼくは債券もっていないのですが。
さらに言うと、
債券が下落するまでは株式は買わない
という風に考えておきたいと思います。
円高→ドル高になる
つづいては為替です。
「有事の円買い」という言葉があります。国際情勢に不安を感じると相対的に安全通貨とみられる円が買われるため高くなるということですね。
今回はドルの利下げによる影響もあり、一気に円高が進行しました。
3月9日には102円台に突入しました。
一方で、その後は銀行や企業、投資家がドルを確保しようとする動きにより一気にドル高が強まっています。
NY円、続落 1ドル=108円00~10銭で終了、資産現金化のドル買い強まる :日本経済新聞
今後もこの傾向が生じるとすれば、円高の局面でドル転しておくことも一つの手でした。
とはいえ、米国市場が今後しばらくは利上げできない場合はじわじわ円高に戻っていくのではという感じもします。日本はこれ以上利下げできないので、、。
ちなみにぼくは急激な円高時にビビってトラリピ設定を解除(損切)しました。
これも一つの反省点です。トラリピ資金の残りは これから株式に投入しようか検討中です。
リート系も大幅に売られる
つづいてREIT(上場不動産投資信託)です。
このコロナショックでREITも叩き売られました。
これはもちろんインバウンド需要が見込めなくなるという経済要因もあるとは思いますが、銀行が期末決算に備えて損切をしているという話です。(twitterで見た話ですが)
(東証REIT指数⇩)
ヒトの動きが止まるのがパンデミックの恐ろしいところなので、REITもさくっと損切あるのみだったのでしょう。
一方で今後という点ではリバウンドを狙うには美味しそうな水準に見えます。
分配金への影響がどれくらいになるかを考えつつ、インカムとキャピタルゲインを狙える可能性があります。
ハイテク/ヘルスケアは下落しづらい
今回のコロナショックですが、セクターでざっくり分けると、自分の感覚ではハイテク/ヘルスケア分野の方が持ちこたえているのではないかと思います。
コロナウイルス→薬ができれば儲かる
コロナウイルス→外出禁止→在宅ワーク関連が儲かる
というような発想でしょうかね。
遠隔医療関連の銘柄は逆行高というようなこともありました。
かつてはITバブルというものもあり、あまり良くないイメージの人もいるかもしれませんが、今の時代にITが使われないことはないでしょう。ある意味ハイテクセクターは生活必需品セクターと言えます。
また、IT関連銘柄はサブスクリプション型の収益になっている部分もあり、人の移動を制限された場合でも比較的影響を受けにくいと推測できます。
どのセクターに限った話でもないですが、企業の収益構造や財務の安全性を見ながら、成長力に対して株価が割安になった銘柄を購入していくのが良いと考えます。
リスクは現金比率で調整する
最後になりますが、こうした株式、債券、REITの全面安の局面を振り返ると、アセットアロケーションというよりもキャッシュポジションこそが大事という気がします。感覚的には投資資金のうち20~30%くらいを現金で残しておいた方が良いのでしょうか。
例:投資額100万円のうち株式70%、現金30%でもつ
→株式下落▲50%(株式35万、現金30万)
→現金比率が約50%になったため、株式を20万購入(株式55万、現金10万)
→株価が半値戻しのとき、総資産は92.5万まで回復(株式82.5万、現金10万)
→株価が全戻しのとき、総資産は120万円に(株式110万、現金10万)
→株式を一部売却して比率を戻す(株式85万、現金35万)
→・・・(以降繰り返し)
上記例では一時的に現金比率が20%以下まで買い増していますが、生活防衛資金を別に持つ+毎月の給与でキャッシュフローは黒字で賄えるのであれば、全額投資でもいいと思っています。ここがサラリーマン投資家の強みでしょう。ただし、相場の底がどこかが分からないため少し残しておくという考え方もあります。
何事にも「正解はこれ」と断言するのは難しいと思います。
大切なのは市場から目を離さないこと、自分の頭で考えること。
まだぼくも道のりを歩き始めたところです。
ではでは。