MAMETA's LIFE-SIZE LIFE

30代最下層パワーカップルが株で資産形成を目指す。給料・家計・育児などなど等身大の実録ブログ。

ふるさと納税は「やらなきゃ損」だけど「やっても損」?ふるさと納税制度について考えてみた

先日の記事で「ふるさと納税」についておすすめする記事を書きました。

 

一納税者として、ふるさと納税は「やらなければ損」な制度です。
しかし、ある意味で「やっても損」とも言えます。

 

詳しく考えていきましょう。

 

 

ふるさと納税は「やらないと損」

まずはメリットの振り返りです。
ふるさと納税は返礼品が実質自己負担2,000円で手に入る
このメリットに尽きます。

 

※やり方によっては、実質自己負担ゼロ

www.mame-ta.com

 

これは実際にやってみて体験済みです。
もちろん、まだ税控除が確認できていませんので、実感はありませんが。

 

ふるさと納税は「やっても損」

ふるさと納税はある意味で「やっても損」といえます。
理由をひとことで言うなら、「自分が住んでいる自治体の税収が減ることになるから」です。

1.自分が住んでいる自治体の税収が減る

これが何を意味するかというと、保育園や図書館、病院などの公共福祉に充てる財源が減るため、自分が住んでいる自治体の行政サービスの質が低下することにつながります。 

そうなると困るのは、そこに住んでいる自分たちですよね。

 

子どもを持つ予定の身としては、保育園の確保などは自治体にしっかり行ってほしいところです。ところが、「ふるさと納税」制度により、都市部ほど税収が減る懸念がありますよね。税収が減れば当然、サービスも供給できなくなります。

 

ただ、現時点ではそこまで大ごとにはなっていません。

 

理由としては、まだまだふるさと納税を利用している人は割合的に高くはないからだと推測できます。

 

下記は総務省の公開している最新の控除適用者数です。

 

ふるさと納税

図1 ふるさと納税の受入額及び受入件数(全国計)

 

控除適用者数は395万人となっています。
この資料とは別に国税庁の統計によると、給与所得者数は約5,800万人となっています。

 

つまり、ふるさと納税の利用率は約7%くらいということです。

 

ただし、仮にこのまま利用者が増え続けると、5年後の2024年にはふるさと納税利用者が50%を超えてきます。

 

その場合は税収を確保できる自治体と、確保できない自治体の格差による社会問題も起きかねません。

 

2.税収の総額は返礼品の分だけ減少する

日本全体での税収総額ですが、自治体が返礼品を用意する費用の分だけ減ることになります。この税収総額のデメリット自体は1と同じで行政サービスの質の低下ですね。

 

下記は、ふるさと納税額のうち自治体が返礼品を用意するために使用している経費の内訳です。

ふるさと納税の募集に要した経費(平成30年度)

出典: 総務省資料 ふるさと納税の募集に要した経費(平成30年度)

 

<この表から分かること>

受入額のうち、55%が経費に充てられています。そのうち、返礼品の調達に関わる費用は35.4%です。

 

つまり差額である、ふるさと納税受け入れ額の20%ほどはふるさと納税という制度ができたことにより生じた経費です。

 

ある意味では、自治体の無駄な仕事を増やしている制度といえます。

 

口は悪いですが「そんなことに税金を使うなら、公務員の人数減らせ、給与減らせ」という声も聞こえてきそうです。

※市役所で働いている友人もおりますので、実際は公務員(市役所職員)はイメージほど給与高くないことは知っています。残業による勤務時間も多いですし。魅力は単に安定性だけかと思います。

 

 

一方で、返礼品である地場特産品を生産する立場としては、売り上げ拡大によるメリットとなっているでしょう。

 

この点で思うところは後で取り上げますが、これって税収の一部が生産者に渡っているだけですよね。

 

ではその生産者の立場になれる業者はどうやって決めているのでしょうかね。単なる行政と業者の「ゆちゃく」とならないよう納税者が目を光らせることのできる制度なのか、微妙ですね。

 

 3.高額所得者ほど得をする

これは「やっても損」というわけではないんですけど。やってみて感じたことです。

ぼくの場合はふるさと納税の目安額は6万円なんですけど、もっと給与が高い人は限度額も高くなります。

 

たとえば、年間給与2,000万円なら、ふるさと納税限度額55万円
年間給与3,000万円なら、ふるさと納税限度額103万円ですよ。 

これだけあれば、年間の食費を賄えますよね。

 同じ自己負担額2,000円で、高額所得者はこれだけのものをもらえるわけです。
(もっともその分、高額の税を納めているのですがね)

 

先ほどの図1から平均のふるさと納税額を計算すると、11.6万円になります。
 これは高額納税者がかなりの割合で利用していることを意味しているかと思います。

 

じゃあ、その分減った税収はけっきょくふるさと納税を行っていない人が負担しているようなものですよね。

  

なんか、一般市民は知らないと損をする制度が多すぎると感じるのは自分だけでしょうか?

 

f:id:kokore0:20190815173147j:plain
 

ふるさと納税制度についての提言

ここまでの点を考えた時に思うことは、ふるさと納税の設立目的が達成されているのか、ということ。

 

ふるさと納税の目的って、「生まれ育ったふるさとに貢献できる制度」、「自分の意思で応援したい自治体を選ぶことができる制度」なんですよね?

 

現状は結局、返礼品により税収獲得競争をしているだけのようにも感じられます。

 

それを踏まえて、少し提言してみたいと思います。

寄付先の自治体を少し選んでみる

ふるさと納税制度を活用するならば、寄付先の自治体を選べることのメリットを活かすことはできます。

たとえば、ぼくが今回の寄付先として選んだ「牛タン」ですが、宮城県東松島市です。
ピンとくる方もいるかもしれませんが、2011年の東日本大震災で甚大な被害を被ったところです。 

※前回記事:ふるさと納税は意外に簡単!初めてやってみたら返礼品が実質無料に!?

「こうした自治体に援助はしたいけれど、寄付をする余裕がない」という方は、ふるさと納税を利用して寄付するのはアリだと思います。

 

地場品はふるさと納税以外で売れるような支援を

先ほど少し取り上げましたが、ふるさと納税により「地方の雇用創出、地場産業の売り上げ拡大に大きく貢献している」という見方もあります。

でも逆に言うと、ふるさと納税で取り上げないと売れない(=タダじゃないといらない)ような製品ってつくる意味あるんですか?

ふるさと納税の返礼品としての売り上げに頼りすぎると、市場での競争力がなくなる懸念があります。

 

それよりも、素晴らしい商品であることを海外にアピールして外貨を取り入れることを支援したほうが現実的ではないでしょうかね。
とくに漆器や焼き物などの工芸品は海外にあまり知られていないのでは。

とはいえ、クールジャパン機構の失敗もあるので官主導では厳しい気もしますが。

 

ふるさと納税のような制度に頼らず、クラウドファンディングを活用するのもアリだと思います。

地方の職人さんがやるような店は、ネットでの紹介、英語への翻訳などのちょっとした支援を行うだけでかなり助かると思います。

 

f:id:kokore0:20190815181510j:plain

まとめ

以上、ふるさと納税制度のデメリットについて考えてみました。

 

まあ結局はぼくのような労働者階級は綺麗ごとを語っていても家族を養っていけないので、なるべく得する方法を使うのが良いわけなんですけど。

 

こんな制度をつくって国は何をしたいのかと疑問に思ったので記事に取り上げてみました。